ゆわつわの採集記

日本の素晴らしい淡水魚たち

【三重県中南部遠征】ヨシノボリ・河口採集(ルリヨシノボリ、シマヨシノボリ、クボハゼ、ミミズハゼ)

お久しぶりです。

ずいぶんサボりましたね…

 

今更ですが二月下旬に三重県に行ってきたのでその様子を軽く振り返って書きたいと思います。

 

 

 

 

初めに入ったのは伊勢湾流入の大河川の平瀬。

石を返していきます。浮石が多くていい感じ

 

 

ウツセミカジカ

卵塊が二つくらい取れてしまって少し反省です。

まあ気にし出したらきりがないですが…できるだけこの時期は避けるようにします。

大きい!迫力ある個体でした。

石にいる姿が一番かっこいい

 

 

 

アカザ

環境を見るともっといそうなものでしたが小さな個体が二個体だけ。

濃尾平野では大河川ならどこでもたくさんとれるものですが、事情が異なるのでしょうか。

三重県での経験が少なく感覚がわかりません。

 

 

 

ボウズハゼ

本種はたくさん。

昨年夏潜ったときは全然近づかせてくれず泳いで逃げてしまっていたので意外です。

まぬけでかわいい顔

ぬめっとした体はいかにも遡上に向いていそうです

 

 

シマヨシノボリ

ため池による陸封集団は見たことがありましたが、回遊個体は初採集。

オオヨシノボリを狙っていましたが、ヨシノボリ類は本種が数個体だけでした。

吻が長く馬のような顔が独特

 

 

 

 

 

次に、同じ河川の最下流部に行きました。

護岸部に近い部分には干潟、流心に近い部分は礫底です。

 

 

ミミズハゼ類未同定種

勉強不足でミミズハゼの同定が出来ません。

礫層と砂層の間に多くいたように思います。

二日目に熊野灘流入の河川河口部で礫底を掘ってみましたが、そのときは一個体も見ることが出来ませんでした。

これまたぬめっとした体。

 

 

 

 

少し移動してさらに河口に近づきます。

完全な干潟環境。ほぼ海ですが、派川への流出部で流れはとても速かったです。

 

 

クボハゼ

あまり魚はとれなかったですが、少しだけある沈み物の陰に網を入れると本種を数個体つかまえることが出来ました。

ビリンゴメインであわよくばチクゼンハゼやクボハゼ、、と思っていたので、とれたビリンゴ属が本種のみでびっくりでした。

違和感のある体型がとてもいい

 

 

 

 

ここで一日目終了。南伊勢の民宿に宿泊しました。

 

 

二日目は、熊野灘流入河川でヨシノボリ類を狙いました。

 

 

ルリヨシノボリ

頬の瑠璃斑、尾柄部のv字斑。

初めに入った淵には全く見られず、400mほど川を下りながら採集を続けると捕ることができました。

尾柄部が高く、寸胴な体型

 

黒い体、明瞭な瑠璃斑。

続けてオスも見ることが出来ました。

イケメン顔ですね。

 

 

シマヨシノボリ

淵の岸辺には、シマヨシノボリが潜んでいました。

水深10㎝程度の場所に集中していましたが、理由はわかりません。

体側や鰭の青と赤の模様が南国風でかっこいい。

 

 

 

二種間で体の色が全く異なります

顔も違う。瑠璃はイケメン、縞はちょっと間抜け面です。

 

ヨシノボリ属二種をじっくり見比べました。

本当はクロヨシノボリも見られると思っていましたが、だめでした。

 

 

 

この後前述した通りミミズハゼ掘りに完敗し、クロヨシノボリを見るため数河川を回りましたが、空振りに終わりました。

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

フラッシュを焚くと瑠璃斑が浮かび上がる

 

ルリヨシノボリはどの河川にも相当数生息していました。

クロは夏の串本遠征までお預けです…

 

 

【岐阜県西濃】水路採集(トウカイヨシノボリ、カワバタモロコ)

 

 

あけましておめでとうございます。

今年はしっかりとブログを書いていこうと思うのでよろしくお願いします。

 

 

 

2023年最初の採集は、西濃エリアの水路に行ってきました。いつもどおりカワバタモロコ、トウカイヨシノボリ、デメモロコなどが狙いです。

季節ものの少ない冬はホームフィールドの開拓を進めたいと思っています。

 

 

 

さて、一か所目に選んだ場所は川幅5mほどの小河川。二面はがっつり護岸されていますが底は泥がよく堆積しているようです。水深は30cm。

網を入れるとすぐにメダカ。いいボサを蹴るとタイバラ、フナ類、コイ。

 

 

タイリクバラタナゴ  Rhodeus ocellatus ocellatus 

目が赤いのは雄の特徴

真冬ですが産卵管が伸びています

 

 

植生が豊かな河川に接続する水路だったので期待していましたが、とれた魚種としては良いとも悪いとも言えず標準的でした。

 

 

 

 

 

二箇所目は期待大の素掘りの水路。

全体としては水深5cm程度ですが、50㎝ほど掘り下げられている場所がありました。

 

網を入れると、いきなりトウカイヨシノボリとカワバタモロコが入りました。

 

 

トウカイヨシノボリ  Rhinogobius telma  

網を上げた瞬間わかる体側のモザイク模様は本種の特徴

小さい個体中心でしたがたくさん生息していました



 

カワバタモロコ Hemigrammocypris rasborella

いるところにはたくさんいる本種。見つけるととてもうれしくなります

 

 

 

トウカイヨシノボリの多産地は初めて見つけることが出来ました。

本種が生息している水路はレッドリストのランク(岐阜県レッドリスト:準絶滅危惧)に比してとても少ないように感じます。

今回の場所も、他の環境の良い場所と大きく違う点が思い浮かびません。

 

 

 

カワバタモロコは、体長4cm程度の個体と体長2cm程度の個体がいました。

昨シーズン産卵に参加した個体と夏頃生まれた新子でしょう。

 

 

 

他に、ミナミメダカ、カダヤシ、トウカイコガタスジシマドジョウなどが確認できました。

メダカとカダヤシの比はちょうど半々くらいでした。西濃の水路では、カダヤシの侵入がみられるところでもメダカがしっかり残っていることが多い気がします。

私の住んでいる近くの河川や公園池ではメダカは見られず、すべてカダヤシに置き換わっています。

 

 

 

カワバタやトウカイヨシの生息数が多く、とても良い環境でした。

一方で、デメモロコは見ることが出来ませんでした。水質が悪かったのでそれが影響したか、水量が少なかったことが影響したか、と考えます。

いずれにしても、デメモロコが要求する環境はカワバタモロコより一段階厳しいな、と感じます。

 

 

この場所はまた灌漑期になったら訪れたいと思います。

 

 

 

 

 

 

その後いくつかのポイントをめぐりましたが、これといったところはありませんでした。

一か所、とても水質の悪い場所でトウカイヨシノボリを確認できて本種が水質悪化に対してとても強いことを感じました。

 

 

 

最後に、数回訪れたことのあるポイントに入りました。

カワバタモロコが無限にとれるため、ここで癒されてこの日の採集を終えました。

 

 

 

 

 

 

おまけ

午前中はとても暖かく、テントウムシがたくさん見られました